ATM|Onikai 特別展示
田村友一郎
Onikai MtK Contemporary Artでは、10月11日(土)より田村友一郎の作品《ATM》を展示いたします。
《ATM》は、2024年11月から本年1月にかけて水戸芸術館で開催された個展『ATM』において、展覧会の核となる作品として発表されました。本作は、作家自身の心臓や臍の位置といった身体的スケールを参照して設計されており、作品のサイズは田村にとって「棺」の大きさに等しいものとなるといいます。
作品タイトルは「Automated Teller Machine(現金自動預払機)」に由来し、ここで “Teller” は「話者」と読み替えられています。任意の3桁のアルファベットを入力すると、田村がこれまで作品制作にあたり書き綴ってきた膨大なテキストを参照しながら、生成AIが田村に代わり3つのセンテンスからなるショートストーリーを生成し、レシートを排出します。そのストーリーが、受け取り方によっては占い師(Fortune-Teller)からの助言のように響く事もあるようです。
本作は、田村自身の作品の変遷を反映するとともに、OpenAIのモデルに依拠し、技術的な変遷に応じて作品そのものも変容を重ねていきます。
昨年、水戸芸術館での個展と同時期に開催されたACK(Art Collaboration Kyoto)において、現金自動預払機さながら特定の場所に依拠することなくナラティブを創出できることを実証した本作品が、その実践から一年を経て、再び展示されます。
田村 友一郎|Yuichiro Tamura
1977年富山県生まれ、京都府在住。
既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手掛ける。作品は、写真、映像、インスタレーション、パフォーマンス、舞台まで多彩なメディアを横断し、土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで幅広い着想源から、現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築する。それによりオリジナルの歴史や記憶には、新たな解釈が付与され、作品は時空を超えて現代的な意味が問われることになる。作品体系として、その多くがコミッションワークであり、近年では美術館のコレクションなども対象の事物として扱う。
近年の個展に「ATM」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2024-2025)、「After IAN Trip」(Onikai MtK Contemporary Art、2024)、「Milky Mountain/裏返りの山」(Govett-Brewster Art Gallery、ニュージーランド、2019)、「叫び声/Hell Scream」( 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2018)、「試論:栄光と終末、もしくはその週末 /Week End」(小山市立車屋美術館、2017)、グループ展に「1995⇄2025 30年目のわたしたち」(兵庫県立美術館、2024-2025)、「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」(豊田市美術館、2024)、「ワールド・クラスルーム」(森美術館、2023)、「Before/After」(広島市現代美術館、2023)、「DOUBLE VISION」(大館當代美術館、香港、2022)、「ギフト、ギフト、」(八戸市美術館、2021)、「ボイスオーバー」(滋賀県立美術館、2021)、「Readings from Below」(Times Art Center Berlin、ベルリン、2020)、「Participation Mystique」(明当代美術館、上海、2020)、「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」(国立新美術館、2019)、「The Fabric of Felicity」(Garage Museum of Contemporary Art、モスクワ、2018)、日産アートアワード 2017、「Festival Future Nows」(ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン、2017)、「2 or 3 Tigers」(世界文化の家、ベルリン、2017)、「BODY/PLAY/POLITICS」( 横浜美術館、2016)、「物語りのかたち」(せんだいメディアテーク、2015)、「これからの写真」(愛知県美術館、2014)、恵比寿映像祭(東京都写 真美術館、2014)、「MOTアニュアル2012 風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館、 2012)などがある。国際芸術祭「あいち 2022」、ヨコハマトリエンナーレ 2020、2019 アジア・アート・ビエンナーレ(台湾)、釜山ビエンナーレ 2018、SeMAビエンナーレ:メディアシティ・ソウル 2014、瀬戸内国際芸術祭 2013など、国内外の多数の国際芸術祭にも参加している。
- 展示会名
- ATM|Onikai 特別展示
- 会期
- 2025/10/11-2025/12/14
- 開廊時間
- 10:00-18:00 日曜休廊
- 作家名
- 田村友一郎