クモの糸をつかむ
岡田理、竹村京、ニシジマ・アツシ、増田佳江、三島嶺
1月13日より、岡田理、竹村京、ニシジマ・アツシ、増田佳江、三島嶺による展覧会「クモの糸をつかむ」を開催いたします。
「クモの糸をつかむ」
小さい頃に読んだ芥川のクモの糸、地獄から何人もぶら下がれる時点でめちゃくちゃ強いな、そんなことあるか?と思いましたがタフネスから言ったら銅鉄線よりも優っていると最近知りました。
芥川はあの糸の強さを知っていたんでしょうか。ちなみにクモの糸、水に触れると二分の一に縮まるのだそうです、強度を保つために。結構な雨が降った後でも蜘蛛の巣がちぎれたところを見たことが無かったのはこの性質のおかげなんですね。
私たちの周りには吹けば飛ぶように思えるもの、よく目を凝らしても見えないものが色々とありますが、今回の展示ではそんな何かに動かされている作家たちが集まったように思います。細い糸が集まれば巣が出来て、見に来たそこのお客様、絡め取られるかもしれませんよ。
竹村京
岡田理 Shizuka Okada
群馬県生まれ。京都在住。
2010年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科を卒業後、2013年~2016年にシュテーデルシューレに在籍。
動植物や抽象の入り混じったセラミックのオブジェを制作し、日本、ドイツを中心に発表。主な展覧会に「Immediacy」(Fig.,東京,2023)、「Contention」(Scheusal,ベルリン,2021)、「Never the SameOcean」企画 田中和人(soda)+イッタ・ヨダ (HAGIWARA PROJECTS,東京,2021)、「FACES」(SCAI PIRAMIDE,東京,2021)などがある。
竹村京 Kei Takemura
東京生まれ。
1998年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業、2000年、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンに滞在。2002年同大学大学院美術研究科修了。
写真やドローイングの上に刺繍を施した布を重ねた平面のインスタレーションを発表。「仮に」という状態を刺繍により作り出し、既に存在しないものや記憶のかけらをより具体的な存在へと昇華させる。主な展覧会に「ホーム・スイート・ホーム」(国立国際美術館,大阪,2023)、「Floating on the River」(京都国立近代美術館,京都,2021)などがある。
ニシジマ・アツシ Atsushi Nishijima
京都市生まれ。京都在住。
大阪芸術大学 音楽学科 音楽工学専攻卒業。
80年代後半より実験音楽の制作、ライブ・エレクトロニック・ミュージックによる演奏を始める。その後、音が持つ様々な側面から発想したヴィジュアル作品の制作も始める。1994年「Citycircus」- Rolywholyover A Circus-John Cage/New Museum of contemporary art<New York>に出展。2007年から2012年の間には、作曲家ジョン・ケージの生誕100周年イベント「John Cage Countdown Event2007-2012」の連年公演を行うなど、国内外を問わず展覧会や演奏活動を精力的に展開している。
増田 佳江 Kae Masuda
京都生まれ。京都在住。
多様な筆致を用いて増田によって描かれた風景や地表、建築物、植物は、モザイク画や手織りの織物のような還元されたイメージとなり、具象と抽象の間に揺らぎます。時系列を失った記憶のように過去、現在、未来が混在する幻想的な画面は、視覚から全身に色彩を浴びるような充足した絵画体験を鑑賞者にもたらします。主な展覧会に「雲をつかむ」(原美術館・原六郎コレクション, 原美術館ARC,群馬,2022 )「Recent Discovery」(CADANxISETAN ART GALLERY伊勢丹新宿店本館6階アートギャラリー,東京,2022)などがある。
三島嶺 Rei Mishima
京都生まれ。
描く、また、描いたイメージを打ち消す。三島の絵画には、描く中で行った「判断」がキャンバスに生々しい痕跡として刻まれている。この軌跡は、幼少期よりダンスに親しんでいた作家の身体性と大きく関係しているのかもしれない。「意味」から逸脱するように描かれたイメージは、安易に解釈されることを拒絶し、描く行為そのものが、作家自身の存在の証明となっている。
- 展示会名
- クモの糸をつかむ
- 会期
- 2024/01/13-2024/02/17
- 協力
- Taka Ishii Gallery、rin art association
- 作家名
- 岡田理、竹村京、ニシジマ・アツシ、増田佳江、三島嶺