石と星
鬼頭健吾
MtK Contemporary ArtではArt Collaboration Kyotoと同時期に鬼頭健吾による個展「石と星」を開催致します。
鬼頭は、フラフープやシャンプーボトル、スカーフなど工場生産された既製品を使い、回転や循環、光の反射や透過といった手法により色彩溢れる大規模なインスタレーションを発表して来ました。
本展覧会では、古代より人類が造形物の素材に使用して来た天然の大理石に着目し、これまでの光の現象の探求に加え、「物質性」への考察を深めます。
サンゴ、海棲動物の骨、貝殻などの生物の証跡が堆積物として凝固し、マグマの熱と圧力によって生成された大理石を鬼頭は、この地球(星)の生命と物質の循環のダイナミズムを結晶化したものであると考え、大理石を展示室に浮遊させ惑星に擬えます。
具体美術宣言で吉原治良は、「物質は物質のままでその特質を露呈したとき物語りをはじめ、絶叫さえする。」と語りました。本展で大理石は、鬼頭の作り出すインスタレーションの中でその声を展示室全体にリフレクトさせ賛歌を響かせます。
鬼頭健吾
1977年愛知県生まれ。2001年名古屋芸術大学絵画科洋画コース卒業後、2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科油画修了。2008年に五島記念文化賞を受賞しニューヨークに1年滞在し、その後ドイツベルリンにて制作活動。現在、群馬在住。
鬼頭健吾は、布やリボン、ひも、鏡などの既製品を用いて大規模なインスタレーションを展開してきました。数百ものカラフルなフラフープをつなぎ、展示空間全体に配置する作品「untitled (hula-hoop)」や、数千枚にも及ぶ手鏡に花の映像を反射させる「broken flowers」など、大量の日用品が持つ “非日常な側面”に言及します。
この空間全体へオブジェクトを配置して行く行為を、鬼頭は絵画の制作行為と同義に捉え、色と形、そして光の生み出す効果への探求をインスタレーションと絵画の両方の制作行為にて呼応させながら行います。ゆえに、絵画シリーズも、独立した絵画シリーズという位置づけではなく、インスタレーション作品との影響関係の中で生み出されたものであり、平面に貼り付けられたインスタレーション作品でもあるのです。
近年の主な個展に「Unity on the Hudson」Hudson River Museum、ニューヨーク(2023)、「Lines」KAAT神奈川芸術劇場、神奈川(2022)、「RECONNECTING」Japan House、ロサンゼルス(2021)、「「DOMANI・明日展 2021」国立新美術館(2021)、「Full Lightness」京都市京セラ美術館(2020)など。
- 展示会名
- 石と星
- 会期
- 2024/10/31-2024/11/23
- 開廊日時
- 月曜日〜土曜日 10時〜18時
- 作家名
- 鬼頭健吾