Presence Takes Time
エレナ·トゥタッチコワ
MtK Contemporary Artは、2025年1月10日(金)から2月15日(土)まで、エレナ·トゥタッチコワによる「Presence Takes Time」展を開催いたします。本ギャラリーでの初個展となる本展では、最新作のセラミック作品と絵画作品を発表いたします。
絵のはじまりは、喜び、悲しみ、再生の願いか、未来をみる希望にあるか。
思考が循環し、どんな動きをして、その風景になっていくのか。
筆の先は直線ではなく、様々な方向へと向かう。キャンバスの上のことは、思考と一緒に動き続け、全体がつながり同時に存在する。
思考から筆へ、筆からキャンバスへ、キャンバスから手の中へ、手の中から粘土の物質へ。思考は、時間であり、物質でもあり、立体的なものだ。
絵の「いま」はとても長い時間だ。変化し続けて、絵は昨日のわたしであり、今日の、まだここにいない明日のわたしにもなる。時間の分子が共鳴し、絵は動き続ける。
2024年12月 エレナ·トゥタッチコワ
本展「Presence Takes Time」では、人間や物質の変容、作家自身の思考の変化の中から「存在」や「時間」についての考察が始まり、それは、循環し共鳴する存在論へと展開していきます。
2021年より発表が始まったセラミック作品の制作の中で、⼿の中の粘⼟が変化し形が⽴ち現れる最中に、⾃分ではない物質が⾝体の続きのように広がる経験をすると語ります。それは、自身のフレームが身体的なスケールによって規定されるものではなく、世界と相関関係を持ち拡張しえる事の発見であり、「時間」もまた、有機的で立体的な広がりを持ったものと捉えることができるのかもしれません。
エレナ·トゥタッチコワの作品に表れる豊かな表現は、彼女の思考を軸とし、体験を通して形づくられたものです。そして、それらの作品は、言葉だけでは記述できない世界の様相を表出したものであり、鑑賞者の世界とも共振していきます。
この機会にエレナ·トゥタッチコワの最新作をぜひご高覧ください。
エレナ·トゥタッチコワ | Elena Tutatchikova
1984年、ロシア、モスクワ生まれ、京都市在住。人間としていかに世界を知覚し想像できるかを問いながら、歩き、考え、経験したことを絵画やドローイング、セラミック、言葉、映像、写真などの作品を通して表現する。 モスクワでクラシック音楽や日本の文学を学んだ後、2012年より日本へ渡る。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現領域博士後期課程修了。博士(美術)。 第 38 回写真の町東川賞 特別作家賞 受賞。「VOCA展2023」奨励賞 受賞。 著書に写真集『林檎が木から落ちるとき、音が生まれる』(torch press, 2016)、作品集『聴こえる、と風はいう』(Ecrit, 2022)。 近年の主な個展に「On a Windy Path | 風の音が道になって」POST(東京、2024)、「Days With the Wind | 風の日は島を歩く」高松アーティスト·イン·レジデンス2020(女木島、高松市、2021年)、グループ展に「湖といえば、泳ぐ電子の軌跡」MtK Contemporary Art(京都、2024)、「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」国立西洋美術館(東京、2024)、「新しいエコロジーとアート」東京藝術大学大学美術館(東京、2022)、「開館20周年記念展 Flower of Life 生命の花」 ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡、2022)、「FACES」SCAI PIRAMIDE(東京、2021)、「Land and Beyond | 大地の声をたどる」ポーラ ミュージアム アネックス(東京、2021)など。
- 展示会名
- Presence Takes Time
- 会期
- 2025/01/10-2025/02/15
- オープニングレセプション:
- 1 月 10 日(金)16:00 – 18:00
- 制作協力
- NOTA&design
- 作家名
- エレナ·トゥタッチコワ