After IAN Trip
田村 友一郎
この度、Onikai MtK Contemporary Art では、田村友一郎による個展「After IAN Trip」を開催いたします。
田村は、一般に流通する慣習化したイメージや既存のオブジェクトの中に潜む世界との奇異な接続点を見出し作品へと昇華させることで、日常を稀有な事象の積み重ねとして生起させます。
本展では、スパイ映画「007」シリーズの原作を手がけた英国人作家イアン・フレミングが、日本旅行をした際、松尾芭蕉に影響を受け詠んだとされる英文俳句の冒頭部分、そして後に著書の題名となる謎めいた「復活」を示唆するフレーズ「You Only Live Twice」を起点に、旅行者イアンの視点を借り日本の風景を臨みます。
近年では、アジア・アート・ビエンナーレ(台湾、台中、2019年)、ヨコハマトリエンナーレ(神奈川、2020年)、「あいち2022」(名古屋)などの国際的芸術祭や、「ワールド・クラスルーム」(森美術館、2023)、「Before/After」(広島市現代美術館、2023)、「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」豊田市美術館(愛知、2024)に参加し、国内外から注目を集める田村友一郎の作品を、この機会に是非ご高覧ください。
田村 友一郎 | Yuichiro Tamura
1977年富山県生まれ、京都府在住。
既存のイメージやオブジェクトを起点にした作品を手掛ける。作品は、写真、映像、インスタレーション、パフォーマンス、舞台まで多彩なメディアを横断し、土地固有の歴史的主題から身近な大衆的主題まで幅広い着想源から、現実と虚構を交差させつつ多層的な物語を構築する。それによりオリジナルの歴史や記憶には、新たな解釈が付与され、作品は時空を超えて現代的な意味が問われることになる。作品体系として、その多くがコミッションワークであり、近年では美術館のコレクションなども対象の事物として扱う。
近年の個展に「ATM」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、2024)、「After IAN Trip」(Onikai MtK Contemporary Art、2024)、「Milky Mountain/裏返りの山」(Govett-Brewster Art Gallery、ニュージーランド、2019)、「叫び声/Hell Scream」( 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA、2018)、「試論:栄光と終末、もしくはその週末 /Week End」(小山市立車屋美術館、2017)、グループ展に「1995⇄2025 30年目のわたしたち」(兵庫県立美術館、2024-2025)、「未完の始まり:未来のヴンダーカンマー」(豊田市美術館、2024)、「ワールド・クラスルーム」(森美術館、2023)、「Before/After」(広島市現代美術館、2023)、「DOUBLE VISION」(大館當代美術館、香港、2022)、「ギフト、ギフト、」(八戸市美術館、2021)、「ボイスオーバー」(滋賀県立美術館、2021)、「Readings from Below」(Times Art Center Berlin、ベルリン、2020)、「Participation Mystique」(明当代美術館、上海、2020)、「話しているのは誰? 現代美術に潜む文学」(国立新美術館、2019)、「The Fabric of Felicity」(Garage Museum of Contemporary Art、モスクワ、2018)、日産アートアワード 2017、「Festival Future Nows」(ハンブルガー・バーンホフ現代美術館、ベルリン、2017)、「2 or 3 Tigers」(世界文化の家、ベルリン、2017)、「BODY/PLAY/POLITICS」( 横浜美術館、2016)、「物語りのかたち」(せんだいメディアテーク、2015)、「これからの写真」(愛知県美術館、2014)、恵比寿映像祭(東京都写 真美術館、2014)、「MOTアニュアル2012 風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館、 2012)などがある。国際芸術祭「あいち 2022」、ヨコハマトリエンナーレ 2020、2019 アジア・アート・ビエンナーレ(台湾)、釜山ビエンナーレ 2018、SeMAビエンナーレ:メディアシティ・ソウル 2014、瀬戸内国際芸術祭 2013など、国内外の多数の国際芸術祭にも参加している。
- 展示会名
- After IAN Trip
- 会期
- 2024/02/29-2024/04/27
- 会場
- Onikai
MtK Contemporary Art
- 作家名
- 田村 友一郎